(1999.11.07更新)
 栄眞尼の
電子説法室

1999年1月3日発足。毎週日曜登場予定です。

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第41回 1999.11.07

「うんとカオスでありますように」


研究以外にeventを3つ抱えて、なんともスリリングな日程をこなしています。
今週は更新するのはやめようかしら、と思ったのですが、「いやまて、それは

安易な人生だ」と思い直しました。継続は力なり。とにかく今週もこんにちは!



われわれ ヒトは地球にとってガン細胞だ、ということがよく言われます。
確かにそっくりですね。あたり憚らずどんどん増えて、まわりを食い物にして。このことをまず自覚しないと、環境問題は始まらない。

悲しきガン細胞のひとつであるわたくしは、そうか、ヒトはアポトーシス(細胞のプログラム死)を忘れた生きものなのか、と溜息をつきました。



また、あるときは、ヒトはまわりの環境に対して絶大な影響力を持つが故に、この地球全体に責任を持たなければならない、と言われます。

絶大な力をもつヒトのひとりであるわたくしは、そうか、ヒトはカミの代理人として、地球をうまく経営しなければならないのか、と鉢巻きをしめました。



かくして、悲しくなったり、勇ましくなったり、環境問題を考えるようになってから、わたくしは些か情緒不安定。

ヒトほど大きな力をもって、広い範囲にわたって影響力を持つ生物はいないな。われわれは地球を滅ぼしてしまうのだろうか...



今朝、境内を歩いていたら、金木犀の花が散って、地面の上に丸い輪が出来ていました。もう花は褐色の土に近いようすになっています。となりの柊木犀は今 2度目の花盛りを迎え、咲きにおう白い花房は誇らしげです。

「ああ、なんと美しい自然の秩序」と思いました。わたくしたちは秩序ある存在を美しいと感じるようです。

個々の存在は、カオスから秩序に向い、そして、その先には消滅があるのでしょう。しかし、大きな存在の場において見れば、秩序のなかで、別のカオスが誕生し、やがてそれが秩序となって、美しく咲き誇り、そしてまたカオスが生まれ、美しい秩序となって、大きな大きないのちを生きる。



40億年の地球の生涯に現われたヒト、これもまたそれまでの美しい秩序のなかに生じたあたらしいカオスではないのでしょうか。あたらしい秩序をもたらすべき<ゆらぎ>。

そう考えると、これからどんな美しい秩序へとわれわれヒトが進んで行くのか、楽しみになって参りました。



でも、とてもわたくしが生きているうちに秩序に入りそうにはありません。それは もっともっともっと先のこと。わたくしたちは、今 自分の《パッチ(部分組織)》で自分のできることをすればよい。

それぞれが自分のニッチを見つけて、自分の仕事をすればよい。それがパッチを機能させ、やがては無償の秩序に向って行く。

今日は、さしあたり わたくしのニッチで なにをすればよいのかな? 逃げないで、怠けないで、でも 力まないで、淡々と自分の仕事をしよう。

そんな健気な決意をして、部屋に戻ってきたところです。みなさんにとって、すてきなゆらぎのあるうんとカオスな1週間でありますように!

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okadamk@hept.himeji-tech.ac.jp 姫路工業大学環境人間学部 書写キャンパス

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