栄眞尼の
電子説法室

1999年1月3日発足。毎週日曜登場予定です。

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第37回 『星の友情』
1999.10.10

星の友情 ― われわれは友人であった。
われわれは各々が目標と航路を持っている二隻の船なのだ

雄々しい二隻の船は静かに一つの港に、

一つの日光を浴びて横たわり

さながら一つの目標を持っていたように見えるかもしれない
 

しかしやがて、われわれの任務はわれわれを分離させ

異なった大洋と海域に追いやる

おそらく、われわれの 実に相異なった道や目標が、

小さな行程として包含されるような

目に見えない巨大な曲線と、

星の軌道が存在するのだ

(ニーチェ『喜ばしき智慧』第4書279より)

あるとき 人生の軌道が交わって 愉快な旅の道連れになる人が います。この友なしに自分はないと思えるほどの友情が生まれることもあります。

しかし、ふたりの出会いが突然であったように、別れもまた、突然にやってきます。それは、どちらのせいでもありません。

われわれには、自分にも分からない 崇高な任務があるのでしょう。カウフマンが〈無償の秩序〉と呼んだ宇宙の摂理が、それを命じているのかもしれません。

そのような時には 雄々しく 新しい航路に就くべきです。次の大洋には輝く島が存在するかもしれない。ここにいてはとても巡り合えないような素晴らしい海に。

新しい風が吹きはじめました。ゆらぎが起こり、出帆です。勇気を出して、一歩を進めれば、そこはもう新世界...


星よ、ゆけ、さだめられたその軌道を.

闇黒にこだわることがあろうか
 

しずかに時をよぎってゆけ!

振り返るな、近付くな、その悲惨に!
 

きみの輝きは、いと遠き世界のため.

憐憫は、悪徳と思うがいい!
 

ただ一つのいましめは、

― きよらかに光れ ということ!

(ニーチェ 「星のモラル」)
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okadamk@hept.himeji-tech.ac.jp 姫路工業大学環境人間学部 書写キャンパス

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