栄眞の
 
電子説法室
 

第22回
 『莟がいためられると』
1999.06.27

夏の朝起き出でる楽しさ
鳥は木々でうたい、
かりうどは遠方で角笛を吹く、
ひばりは私といっしょにうたう、
おお 何とうれしい友達
 
しかし 夏の朝学校へ行くことは―
おお 喜びがみんな追いのけられる
すれからしの意地悪い先生の眼の下で
子供たちは一日中
ため息をつき、まごまごする
...............................................
 
世の父母よ、莟がいためられると
花は咲かずにくさる
(ウィリアム・ブレイク「小学生」より)

仕事が立て込んだ上に体調がよくなくて、先週は説法室の更新ができませんでした。今週も相変わらず、頭の調子はよくないのですが、どういうわけか、仕事は短時間に集中して進んでいます。


教師という職業は、栄眞がこどものころ 絶対になりたくない職業でした。先生のお蔭で暗い日々を過ごしている人々を沢山見たからです。
先生は こどもたちに 自分のいうことをきけ と命じる。でも、こどもの言うことは聴こうとしない。

先生は こどもたちに こうしろ と 教える。でも、自分はそうしていない。

小さなまみちゃんが 初めて気付いた大人の欺瞞でした。


しかし、
こどもは大人の言うようにはしない、するようにする

こどもが思い通りにしない、という時には、もう一度 こう考えてみなければ と思うのです:

自分が命じたように自分でもやっているのか?

こどもの想いをほんとうによくきいてやったか?


教師を非難するようなことを書きましたが、わたくし自身はラッキーガールで、何人もの素晴らしい先生に巡り合うことができました。そのお蔭で、いつのまにか教師になっていました。

だから教師が みな ああいう莟を摘む人だとは思っていません。一般的に、教師・おとなにはこういう傾向が見られるな、というところです。

最近、ちょっとした学生の嘆きを聞きました。これはなるほど不愉快だろう。
それで、上のブレイクの詩を思い出したというわけです。

そして、ついでに みずからを振り返ったところです。(ね、文弘、お母様の机の上も相当散らかってるね。うるさく言ってゴメン! 自分も片づけようっと)


聞くは仔羊のあどけない声
 
母羊の優しい答え方
 
見守るは羊飼いそばにありと知るゆえ
 
心安らかな彼らすべての姿
 
(ブレイク「羊飼い」)

戻る
 
okadamk@hept.himeji-tech.ac.jp    姫路工業大学環境人間学部   書写キャンパス
 
 
indexページへHPひよこの歩みご一緒にいかが岡田真美子とは何でもQ&A研究紹介リンク集