1999年1月3日発足。毎週日曜登場予定です。
2000.03.13
Und er warf die Silberlinge in den Tempel,
hub sich davon, ging hin
und erhaengete sich selbst.(そこで ユダは銀貨を神殿に投げ込んで
立ち去り、首をつって死んだ。)
日本へ帰って初めてマタイ受難曲を聴きに出掛けました。CDではよく聞いているけれど、会場に足を運んで、曽根教会の高ア裕士・陽子先生とご一緒したせいか、初めて聞いた初稿版のせいか、いつもと違った感じでこの受難曲を聴きました。
門外漢のわたくしですが、すこし物想うことがありました。
今日印象に残ったのは、イエスの死は預言書の成就のためにどうしても必要だったということ。
死なねば、復活はありえない。復活はキリスト教にとって非常に重要な概念ですね。
永遠とは、そっくりそのまま不変なものであり得ない。だから死と復活は必須だったのだろうと思います。
さて、そこで、ユダだ。
Und er warf die Silberlinge in den Tempel, hub sich davon, fing hin und erhaengete sich selbst.今日マタイを聴いていて、初めてこの言葉がわたくしのなかに染み込んできました。ユダはなんと救われないことよ。
(そこで ユダは銀貨を神殿に投げ込んで立ち去り、首をつって死んだ。)預言書の成就が必要だったのなら、ユダもそのなかの重要なパートを演じたことになる。しかも、非常に気の毒なパートです。
ペトロだって、居眠ってはいけないと言われても熟睡してしまい、イエスを知らない、と3度までシラを切るいうような重大な裏切りをしているのに。
栄眞の言いたい放題をお許し頂けるなら、こう申し上げたいのです:
「ユダ、そして、ユダヤ全体、それはキリストの復活という永遠を我々に教えるために、重大なつらい役割を果たした者たちではないのか?」われわれ人間は間違うものである。間違うから神ではなく、人なのだということを教えるためにもね。
「謝って済むなら警察は要らない」それはそうでしょう。しかしユダは過ちを悔いて 裏切りの代償であった銀貨を神殿に戻し、自ら命を絶っているのですよ。
それなのに、われわれはいつまで彼を蔑み、非難し続けるのでしょうか。
あのマグダラのマリアをリンチから救ったイエスならこう言うのではないでしょうか:
「みなさんの中で、かつて自らの利のために人を裏切ったことが無い という人がいれば、その人はユダに石を投げなさい」ユダさん、あなたもどうぞ安らかに憩われよ。お断り: ♪ Ruhe sanfte、sanfte ruh!♪
このページを束の間アップロードしたところ、ア牧師さまから、メールを頂戴いたしました。ユダに対するそれはそれは深い洞察に満ちた見解が記されていて、栄眞は 感銘を覚えると同時に、この素朴な言いたい放題を恥じました。その後:それで、ページを行方不明にしてしまったのですが、牧師様は、ぜひもう一度あげてくれと言って下さいました。4月30日にはア先生のユダに関するお説教があるそうです。
わたくしの投げたボールをしっかりと打ち返して下さった記念に、再びこのページを上げることにしました。(04.21)
ア先生が 5月のHP説教として「そうです、ユダも安らえ!」を上げられました。これを読んで、わたくしは初めて自分が赦されたような気がしました。ペトロの手紙4.6。この意味がわたくしはよく分かっていませんでしたね。死んだものにも福音が告げ知らされた、と書かれていることは、罪人として生を終えてもまだ救いに与かる余地があり、赦しを得る可能性があるということでした。はー、これはこれは。
ところで、なぜこんな話しをするのか? それは単にユダがかわいそうだというだけではありません。ペトロもそうであったように、この私もイエス様を裏切ったにちがいないからです。今もこれからも、裏切り続けるかもしれないからです。そういう私自身の現実から出発して考えるしかないのです。それが実存的と言われるあり方なのでしょう。(…)ね、こころが楽になるお言葉でしょ? 柔らかい心の教えですよ。栄真尼様、そうなのです。「ユダも安らえ!」と言っていいのです。むしろ、そのように取りなしの祈りをすることは、私たちの救いでもあるのではないでしょうか
あのように厳しい人生を生きていらっしゃった先生、つまり、ごにょごにょと自分を誤魔化してずるくウソツキに生きることをしなかったア先生だからこそ語れる言葉だと思うのです。
すばらしい教えを戴くことが出来ました。感謝です。
受難週が終わって、Rosen Montag ばら色の月曜日から始まる蘇りの週に入りました。うこんざくらも満開です。復活祭\(^:^)/ (04.25)
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HOMEへ 注)このページの壁紙gif.は、小学生の広大くんが一生懸命作ったのを貰ったものです。
広大くん、ありがとう。 http://www2.memenet.or.jp/~koudai
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