2004.03.05

NPO法人 千姫プロジェクト勉強会


テーマ「都市の再生・地域の再編」

兵庫県立大学経済経営研究所発足記念キックオフ・セミナー
兵庫県立学習プラザ 神戸交通センター4F


阪本学長のご挨拶 「プロジェクト型の流動性のある研究所を作りました」

{基調講演}

1.宇山 正孝(三鷹市企画部情報推進室)

  三鷹のまちの特徴 − 住民に支えられているまち
    ベッドタウン 毎年30棟ほど新しいマンションが建つ
    工業地域商業地域は20%
     → 個人市民税が4割、法人市民税5.24%
    市税の8割は個人が納めている 住民に支えられている
    ○黒字経営をしているまち
    [問題]少子高齢化

  三鷹の目指したもの − ソフト支援をする 
    当初入れ物(ハード)を作ろうとした。ヒヤリングを続けるうち、出てきたのは→
    SOHOの問題−ソフトトラブル:経営/経理がわからない
           ↓
   ◎
ソフト支援をしてゆこう 三鷹市SOHOパイロットオフィスの誕生
     コーディネーターが5人/SOHOフェスタ、
     営業セミナー(名刺の渡し方から)、経営セミナー

  ハードは民間にあり

  シニア世代を地域にかえす ボランティアではなくビジネスで。家賃補助はしていない。
   (NPOシニアSOHO  年商6000万円、これでも常勤をやとえない。)

  自治体の生き残りをかけて。

2.鈴木 恵一(日本政策投資銀行 関西支店企画調査課長)

  都市再生ファイナンス
   玉突き移転
      梅田    ←    中ノ島   ←  道修町、境筋 と玉突き移転が起こっている
    新築大規模ビル   既存ストック     中小のビル

    

  都市再生への提案

   都市環境は多機能型にする
     都市構造:居住、業務、公共、商業機能など雑居機能を持った空間にすること

   地金地消 地域のお金を地域で使うようにする

   地域通貨/コミュニティウェアは寄付に着目した地金地消手法のひとつ

   神戸コミュニティクレジット ←「
    下敷きに「講」あり(ひよこ:「頼母子講だ」!!)

   家守事業 
    江戸の「家守」の現代版 空き室群のマネジメント

3.林 敏彦(スタンフォード日本センター理事長、放送大学教授)

  ガバナンス

   ・コーポレート・ガバナンスから起こったことば 
     企業は株主のものという考え方から、企業のステークホルダーの範囲を広げる

    「ガバナンス」という考え方はなぜ出てきたのか?
      ガバメントとガバナンスは元は同じ
      Governmentガバメント(住民から託された権力を行使する権利をもつもの)
      が時代遅れになって、これではすまない事態になってきた

     まちは誰のもの? 住民登録をしている人だけのものではない。おとづれる人も
       
{ひよこ:誰のもの論争はみな同じ。「〜のもの」という考え方そのものが×
         所有から利用/使用へ}

   ・国際関係を論じるときにはガバナンスであった
     統治機構としてのガバメントは地上にはない 強制力をもたない
     環境ガバナンス COPにアメリカを強制的に参加させるわけにはいかない。

   ・都市における「新しい公の創出」の必要
     行政サービスの「公正さ」をみなおしてみよう 福祉、教育
     膠着化した「平等」「公正」を打ち破ることが必要
     「私」でなく「公」でないものが都市では必要になってきた

     

  人はなぜ都市に住みたがるのか?なぜ集まりたがるのか  答え「人間浴」 「ご縁」

パネルディスカッション

 コーディネータ 加藤恵正
 パネリスト 

 レクチャラー +

 中瀬 勲(自然・環境学研究所) 

       遠からず経済と環境の統合が起こるだろう。

       多自然居住地域と都市に興味あり。生物多様性。

       林さんへ質問「自然地での環境ガバナンスをどうするか?
         
 {ひよこ:この質問は拍手です。環境ガバナンスは「コモンズ的発想」。
           これを超える「入会的発想」が必要でしょう

       現場・本物・お持ち帰り・カリスマ研究員でやってゆこう。

 安室憲一(経済研究所長)

       工業経済の20世紀から知識経済* の21世紀へ

        * 知識を持って活用できるものが経済を牛耳る経済社会

       都市のインテリジェントビルが知的生産(創造活動)の場

       神戸をホスピタリティ都市(=医療観光都市)に変えてゆこう 

       個人財産の価値増殖を高めるため地価を下げてはいけない
        [ひよこ:「そうかなぁ。なぜ土地を財産にしなければならないのか」]    


 実り多いセミナーでした。このプロジェクト型の研究所の弥栄をお祈りします  

[千姫出席者] ひよこ、しんさん、とんび、なまこ


(c)2004 Prof. Dr. OKADA Mamiko