ある審査会で「随想連載仲間」の増田大成さんに会った。生(なま)の増田さんは初めてである。鋭い舌鋒のなかに人を育てる温かさが包まれていて感じ入った。
別の日には「雑巾(蔵金)がけ」の記事を読んだ姫路市内の高校生の方々が研究室を訪ねてきてくださるということが起こった。エコマネー千姫の方々とお話が盛り上がりとても楽しいひと時であった。
このところ但馬、丹波、西播磨波賀町と講演に行った先々で、「随想読みました」とお声掛け頂いている。生の感想をうかがうのは実際ありがたい。勉強になるし、元気も出る。
このように投げかけたものに応答してもらうことによって次の行動がよりよいものに調整されることをフィードバックと言う。双方向(一対一)のフィードバックもあれば、ぐるりめぐってのフィードバックもある。生きものはこのフィードバックを受け取って自分のふるまいを調節しながら生きている。
生きがいというのは、フィードバックをもらうことなのかな、と思う。ことばを投げてもブラックホールに吸い込まれるようであったり、ただ叩き潰されるだけの毎日ならさぞかし生きることは辛いだろう。
最近のありがたいフィードバック:10日掲載の「虫送り」に対して、明石の魚住町、千種町西河内、安富町の関部落、中町奥中、神崎町の方々から、まだやってるよ、というお知らせを頂き勇気百倍になった。新調の「実盛人形」の写真が載った7日付けの神戸新聞を下さった方もあった。来年はほうぼうフィールドワークに出かけてすてきな論文を書きますよ。(蚊遣りのお線香をお送りしたいので、住所とお名前を姫路市新在家本町1-1-12姫工大環境人間学部岡田までぜひお知らせください)
神戸新聞夕刊一面随想2003.07.28