神戸新聞一面随想
連載仲間
この「随想」欄は4ヶ月に一度執筆者の顔ぶれが代わる。4月に始まった新チームは8月までが任期である。そこでクイズ―「担当者は何人いるでしょう?」
以前からファンであった心臓外科医須磨久善先生の初回は初手術にまつわるエッセー。「自分に命を預けてくださった患者さん」ということばに重みを感じる。ラグビーコーチの萩本光威さんは、自ら選手と運命を共にすることを選んだ。厳しい評価を受ける仕事に生きる男たちに感動。
その一方で私はエコマネー「千姫プロジェクト」を主宰しているためか、IT活用で外に出にくい人ともコミュニケーションを深めている竹中ナミねぇや、朝の読書を勧める大塚恵美子先生の楽しそうな活動にも大いに共感を覚える。
また、田中光敏監督の語る田中邦衛さんのロケ中のエピソードや、大山勝美さんの放送「開始」札のゆったりとした趣き。四季の変化に従い自然と呼吸を合わせる増田大成さんや、定住する代わりに新しい町に移り住む人生を選んだ志水辰夫さんの生き方。なんとも温かく爽やかだった。
さらに、わたくしの本職である「環境」に関わる阿藤誠さんの人口問題と中絶、小林照幸さんの人と動物の共生というテーマも興味深く読めた。
というわけで、先のクイズの正解は11人。わたくしの当番は六番目でちょうど真ん中である。担当者がぐるりと一巡したところで神戸新聞を並べて読み返してみると、ちょっと見たところばらばらであったかのような随想がそれなりに相互につながりをもっているのがわかって面白い。実はこの回のために別の文章を用意していたのだけれど、それはまた次にしよう。
神戸新聞夕刊1面2003.05.26