safety net

「事が起こったときに、友だちのあるのは楽しい。どんなことにでも満足するのは楽しい。善いことをしておけば命の終わるときに楽しい。」(ブッダ『真理のことば』331偈)
ITエコマネーの千姫プロジェクトが7月末NPOの認証を受けた。今301人のゆかいな仲間がいる。
「封筒発送ボランティアが来ないどうしよう」というSOSが入ればすぐに「手伝いに行くよ」と答える人たちがいる。
「父が手術です」というカキコには、次々に祈り、励まし、お見舞いが届く。
ネットでつながれたにんげん曼荼羅は見えないセーフティーネットだ。綱渡りする人が落っこちても受け止めてくれるあのネット。
 昨日雑誌のインタビューを受けていたとき、専門は次々変わったように見えるけれど、わたくしは一貫して人間のことを学び続けてきたのだと気が付いた。人間がすきなのである。
家族に恵まれた。師にも、友人にも、上司にも、同僚にも恵まれた。自分はなんてラッキーな人間なんだろうと思う。人間がすきになるはずである。
お互い相手が何者か知らない「知り合い」(?)もいる。例えば高速道路の料金所のおじさんたち。「こんにちは!」と声を掛けながらカードを出すと、「久しくお見掛けしませんでしたがお元気でしたか?」なんて聞いてくださる。「お気をつけて!」と送り出されるのがすきである。
「なにしてらっしゃるのかな。女医さんですか?」−笑って答えない。
この原稿を送るといつも担当の部長さんが受領のファックスにひとこと書いてきてくださる。このやりとりが楽しい。今回はうっかり一日締め切りに遅刻してしまった。ごめんなさい!セーフティーネットを張ってくださってますよね?
神戸新聞夕刊一面随想2003.8.12

*なお現在隊員は346人になっている(2004/12)

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